ぴったりマイサイズの浴衣や着物をつくるには、自分のサイズを正確に測ることが大切です。
この記事では、着物や浴衣を仕立てる際に一番初めに行なう採寸の仕方について解説していきます。
採寸する部位は5カ所!

採寸する部位は、裄・身長・着丈・腰まわり・脚の長さの5カ所です。
裄(肩と腕の長さ)

床と平行に腕を伸ばし、肩の高さから15cmほど腕を下げた状態で、首の付け根の中央から手首の骨の出っぱりまでの長さを測ります。
裄は、和服の袖幅と肩幅の寸法を割り出す際に必要になります。
身長

背筋を伸ばして床から頭のてっぺんまでの長さを測ります。
女物の着物や浴衣の場合は、身長が出来上がり丈(背身丈)となります。
着丈(首から足首までの長さ)

首の付け根から足首のくるぶしまでの長さを測ります。
男物の着物・浴衣や、女物であっても対丈の着物・浴衣の場合は、着丈が出来上がり丈(背身丈)となります。
女物の着物や浴衣は、現代では一般的に丈を腰まわりでたくし上げて着ます。
このたくし上げた部分をお端折りといいます。

対丈はお端折りを作らずに着られる着物や浴衣の総称です。
メンズ着物・浴衣や、温泉で着用する浴衣が対丈の長着です。
腰まわり

ヒップの一番出ている部分を測ります。
この長さは前幅と後幅の寸法割り出しに必要です。

着物はお尻の部分が最もテンションがかかりやすく裂けやすいので、不安な場合はヒップの一番出ている部分にゆとり量として指3本分を加えた長さを測ります。
脚の長さ

脚の付け根から床までの長さを測ります。
脚の長さは、衿下の寸法を決める際に参考にします。
衿下寸法は、身長の1/2か、それから2~3cm引いた寸法にしますが、脚が長い人はこの長さでは短いからです。
身長の1/2の長さよりも脚の長さのほうが極端に長い場合は、脚の長さを考慮して身長の1/2に2~3cm足した長さを衿下寸法とします。
着たときに、お端折りの下に衿先が出ない程度に衿下寸法を決めた方が、着崩れしにくくなります。
自分で自分の採寸をしたい場合

自分の各部位を採寸するときは、他の人に測定してもらったほうが正確に測ることができます。
しかし、どうしても自分で自分の採寸しなければならないときは、壁や鏡を活用すれば採寸しやすくなります。
身長・着丈・脚の長さを自分で採寸する方法

身長・着丈・脚の長さを測るときは、壁を使います。

- まず壁を背にして立ちます。
- そのままの姿勢で腕だけ動かし、本や物差しを測りたい部分に当てます。
- 本や物差しを壁に当てたまま体を壁から離し、その位置を水性ペンなどで印を付けます。
- 床から印までの長さを測ります。
裄を自分で採寸する方法

裄を測るときは、あらかじめ身丈の高さを壁の角で測っておきます。

- 手首の骨の出っ張りの位置にチョークや水性ペンなどを付けておきます。
- そして、壁の角を首の付け根の中央に当てたまま、壁を背にして真っ直ぐ立ちます。
- 腕を床と平行に腕を伸ばし、肩の高さから15cmほど腕を下げます。
- 手首に付けておいたチョークや水性ペンを壁に付けるように、手首を壁に押し当てます。
- 壁の角から体を離し、予め壁の角で測っておいた身丈の印のところから、壁の手首の印までの長さを測ります。
腰まわりを自分で採寸する方法

腰まわりを測るときは、
- メジャーが斜めになっていないか
- ヒップの一番大きな部分で測れているか
- メジャーにたるみがないか
鏡でよく確認しながら測ると、採寸しやすくなります。

前幅・後幅の割り出しがそれぞれ1cmずれてしまうと、1着でトータル4cmのずれが出てしまいます。これではぴったりとした着心地になりません。
腰まわりの採寸は5回ほど行い、その平均値を出すと間違いが減ります。
着付けやすいぴったりサイズの着物は採寸が大切

着物や浴衣は多少サイズが違っても着付け次第で着ることができますが、サイズが大きすぎたり小さすぎたりすると大変着付けにくいものです。
ぴったりサイズの着物や浴衣はとても着付けしやすいので、しっかり採寸して、是非ともぴったりサイズの着物や浴衣を作ってみてください。
この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです🐋
それでは、
またお会いできる日を楽しみにしております🍀
