浴衣や着物を作るときに、和裁に適した道具を使うとスムーズにつくることができますが、いくつかの道具は身近なものでも代用することができます。
この記事では、
- 和裁道具の代用品と代用方法の解説
- 和裁道具ではなく洋裁道具できもの作りできるのか
についてご紹介していきます。
和裁道具を身近なもので代用する方法

5種類の和裁道具は、身近なもので代用できます。

浴衣や着物を作ってみたいけれど、和裁道具をすべてそろえるのは難しいなぁ…
というような場合もあると思います。
これら5種類の和裁道具は身近なものでも手軽に代用できるので、よかったらお試しください。
こての代用品

和裁ではこてをよく使いますが、こてはなかなか売られてないのが難点…。
和裁こては、手のひらサイズのミニアイロンやパッチワーク用の小さな電気こてで代用できます。
ミニアイロンも小さな電気こても、小回りが利いて使いやすいのでオススメです。

スチーム機能付きのミニアイロンで代用するときは、スチームをOFFにして使います。
また、ミニアイロンは持ち運びにも便利なので、旅行の荷物に入れても邪魔になりません。
旅先で衣類にアイロンをかけたいときや、半衿を付け替えたいときも、ササッと手軽にできますよ✨


かけ針・くけ台の代用品

かけ針とくけ台は、代用品が2つあります。
- 洗濯ばさみ+ひも
- 文鎮(ウェイト)
かけ針とくけ台の代用方法①洗濯ばさみとひも

洗濯ばさみに紐を通して、テーブルの脚などにひもを巻き付けることで、かけ針とくけ台の代用品となります。
洗濯ばさみの挟む部分に滑り止めのゴムを貼ると、より使いやすくなりますよ✨
かけ針とくけ台の代用方法②文鎮(ウェイト)

文鎮を布の端に置いておくと、布を張ることができるので、かけ針とくけ台の代わりとして縫いやすくなります。
へらの代用品

へらは、キッチン用のへらでも代用ができます。
- へら先の底がゆるやかにカーブしている
- へら先に尖った部分もある
- 片面が平たいもの
- 握った状態で力を入れて印付けできるサイズ
このすべての条件がそろっているへらがベストで、和裁道具としても使えます。
分厚い木べらは不向きですが、プラスチックや樹脂のキッチン用へらは代用品として向いています。

へらの代用としてオススメできないもの① チャコ

チャコやチャコペン、チャコペーパーは洋裁ではよく使いますが、粉やインクが布に残りやすく布を傷めてしまうので、和裁で使用するのはオススメしません。
へらの代用としてオススメできないもの② 熱で消えるペン

フリクションのように熱で消えるペンは、和裁でも洋裁でも使用をオススメしません。
一見、大変手軽で便利そうに見えるのですが、このペンのインクは、熱で消えるわけではなく、見えなくなるだけだからです。冷やすとインクが見えるようになります。
したがって、一度熱でインクを見えなくしてしまうと、冷やさないとインク残りを確認できないので、洗濯しても落とせているのか分かりません。
見えない状態が、インクが落ちた状態なのか、熱で見えなくなっている状態なのか、大変判断しづらいので、非常に厄介なものです。
へらの代用としてオススメできないもの③ 石鹸チャコ

細くなった石鹸をよく乾燥させて、チャコのようにする方法もありますが、和裁では石鹸チャコの使用をオススメしません。
こてで熱を与えると石鹸跡は見えなくなりますし、石鹸成分によって針の滑りも良くなるのですが、石鹸はアルカリ性なので、時間の経過とともに絹の場合は黒ずんでいき、木綿・麻の場合は色落ちや変色をしてしまいます。
この黒ずみ・色落ち・変色は、プロの悉皆屋さんでも落とせない厄介な染みとなるので、石鹸チャコの使用は控えたほうが無難です。
へら付けや糸じるしだけじゃなく…どうしてもペンを使いたい…!

しるしを付けられる手芸ペン類は、熱で消えるもの・自然に消えるもの・水で消すものなど様々なものがあります。
どうしてもペンを使う場合は、使ったら生地が傷む前に、すぐによく洗ってインクをしっかり落とすことが大切です。
絹物のようにガシガシ洗えない生地に使うときは、

この生地が傷んでも大丈夫かな?
今後この生地をリメイクすることはあるかな?
と、ペンを使う前に「生地のその後」をよく考えてから使うことをオススメします。
へら台の代用品

へら台の代用品は大きく分けて、2種類あります。
- 厚板の上に厚紙や厚手の布、アイロンマットを敷く
- 脚のないアイロン台
これらのように、へら付けやアイロンの熱に耐えうるものなら、へら台として代用可能です。
へら台を使うときに180cm幅の折りたたみテーブルがあると便利!

へら台やへら台の代用品を使うときに、テーブルの上だと作業がとても楽になります。
おすすめのテーブルは、幅が180cmある折りたたみ式のテーブルです。
180cm幅があれば、約45×180cmのへら台を広げて作業もできますし、洋服地も余裕を持って広げることができます。
また、折りたたみ式なら、180cmの幅があってもコンパクトに収納できますよ✨
愛用している折りたたみテーブル

私が愛用している作業机はこちら↓の折りたたみテーブルです。
ミシンをかけてもガタガタせず安定しているので、買ってよかったもののひとつです。
手芸以外の作業や、大人数でホームパーティーやボードゲームをするときにも重宝してます✨

文鎮(ウェイト)の代用品

文鎮は、小さめで平たいお菓子の空き缶に小銭を詰めたもので代用できます。
かわいい空き缶を使うと、きものを作っているときも、ほっこり癒されます🎶
また、私は水墨画を描くときに使っている書道用の文鎮も、手芸のウェイトとして使っています。
書道用の文鎮は角が鋭利なものが多く、布を傷めてしまうので、手芸のときは手ごろなサイズの巾着に入れて使っています。

和裁道具ではなく洋裁道具できもを作ってもOK?

和裁と洋裁の道具の違いについて、
- 和裁独自の道具
- 洋裁独自の道具
- 似ている/共通しているが、細かい部分が違う道具
の3種類に分類できます。
こちら↓の記事に、和裁と洋裁の道具の違いについても、詳しくご紹介しておりますので、良かったらチェックしてみてください。
このように和裁と洋裁で道具に違いはありますが、「和裁だから絶対に和裁用の道具を使わなくちゃいけない!」ということは、ありません。
洋裁用の道具でも、着物や浴衣を作ることはできるので、使ってて楽で、問題なく着物や浴衣を作れるなら、洋裁の道具を使うのもOKです!
和裁道具を使うメリット

和裁用の道具を使うメリットは、
- 楽に手縫いができる
- 布地を傷めにくい
というだけのことです。
和裁の道具は、そんな風に工夫が凝らされているので、慣れるととても便利ですよ✨
自分がときめく裁縫道具を使うことが大切

また、和裁道具は長く使える上に、他の手芸でも使えるので、持っておくと何かと重宝します。
使ってみると楽だったり心がときめいたりする、そんなとっておきの道具を探してみるのも、きっと楽しいと思います。
自分がときめく裁縫道具なら、飽きることなく裁縫時間を楽しめますよ🍀
まとめ

以上、和裁道具の代用品・代用方法のご紹介でした。
まずはお試しとして代用品で浴衣や着物を作ってみて、うまくいかなかったら本来の道具をそろえていくといいかもしれません。
自分にとってお気に入りの道具は、あなたの和裁時間をきっと楽しくしてくれるはずです。


この記事が少しでもお役に立てば、わたしは幸せです。
それでは、
またお会いできる日を楽しみにしております🍀
