【女性用の浴衣】採寸サイズから出来上がり寸法を割り出す方法|和裁初心者向け

初心者さん向け基礎知識

浴衣を自分で仕立てるとき、

採寸したけど、浴衣の出来上がり寸法って、どれをどれくらいの長さで作ればいいのか分からない

と迷う方はとても多いです。

 

この記事では、体の各部位を採寸したサイズから、女性用の浴衣ゆかたの出来上がり寸法を割り出す方法を、和裁初心者さんにも分かるように解説しています。

たもとそで・バチえり・お端折はしょりがしっかり作れる、基本的な浴衣の形を前提に説明していきます。
(その他のお袖・広衿・おはしょりなしの形、男性用やお子様用の浴衣については、別記事で解説予定です。)

 

また、この記事内ではできるだけミスなく浴衣づくりができるように、

も記載しています。

  

この記事で紹介している寸法の考え方は、単衣の着物や普段着の木綿着物にも応用できます。
着物として仕立てる場合の考え方や注意点は、別記事で詳しく解説予定です。

 

【女性用の浴衣】出来上がり寸法表と計算方法

浴衣を仕立てるためには、まず「体を採寸した実測サイズ」と「出来上がり寸法」を整理することが大切です。

この章では、採寸したサイズをもとに、女性用浴衣の各部位の出来上がり寸法を割り出す手順をまとめています。

 

着用者の体の部位を採寸する

はじめに、浴衣を着る人の体のサイズを採寸し、実測値をメモしておきましょう。

正確に測っておくことで、後の計算ミスや仕立て直しを防ぐことができます。

 

着用者の体の部位の採寸表
採寸部位実測値実測値の例
身長160cm
ゆき66cm
腰まわり92cm
脚の長さ78cm

 

 

採寸サイズから浴衣の出来上がり寸法を割り出す

採寸した実測値をもとに、浴衣の各部位の出来上がり寸法を計算していきます。

以下の表に沿って埋めていくと、寸法の抜けやミスが起こりにくくなります。

 

女性用浴衣の出来上がり寸法表
浴衣の各部名称計算方法出来上がり寸法
身丈みたけ身長と同寸160cm
袖丈そでたけ標準寸法を使います49cm49cm
袖口そでぐち標準寸法を使います23cm23cm
そでの丸み標準寸法を使います2cm2cm
袖付けそでつけ標準寸法を使います23cm23cm
ゆき実測します66cm
袖幅そではばゆき÷2+1cm34cm
肩幅かたはばゆき÷2-1cm32cm
後幅うしろはば腰まわり÷4+6cm29cm
前幅まえはば腰まわり÷423cm
はば・胸が豊かな方…前幅と同寸
・スレンダーな方…前幅-2cm
23cm
衽幅おくみはば標準寸法を使います15cm15cm
合褄幅あいづまはば標準寸法を使います13.5cm13.5cm
衿幅えりはば
(バチ
えり)
上(衿肩まわりの衿幅)
 ↳標準寸法を使います
5.5cm5.5cm
下(衿先の衿幅)
 ↳標準寸法を使います
7.5cm7.5cm
衿肩えりかたあき標準寸法を使います8.5cm8.5cm
標準寸法を使います2.5cm2.5cm
衽下おくみさがり標準寸法を使います23cm23cm
身八みやぐち標準寸法を使います15cm15cm
衿下えりした身長÷280cm

 

寸法割り出し早見表(計算が手間に感じる方向け)

計算が手間に感じる方は、裄や腰まわりから自動的に寸法が分かる以下の早見表をご活用ください。

 

裄から割り出す袖幅と肩幅の早見表

袖幅肩幅袖幅肩幅
58cm30.0cm28.0cm67cm34.5cm32.5cm
59cm30.5cm28.5cm68cm35.0cm33.0cm
60cm31.0cm29.0cm69cm35.5cm33.5cm
61cm31.5cm29.5cm70cm36.0cm34.0cm
62cm32.0cm30.0cm71cm36.5cm34.5cm
63cm32.5cm30.5cm72cm37.0cm35.0cm
64cm33.0cm31.0cm73cm37.5cm35.5cm
65cm33.5cm31.5cm74cm38.0cm36.0cm
66cm34.0cm32.0cm75cm38.5cm36.5cm

もし、裄の採寸サイズの小数点以下も出来上がりサイズに考慮したい場合は、袖幅に小数点以下の長さを足します
例:裄が66.5cmの場合は、袖幅を34.5cm 肩幅を32.0cmにします。

 

腰まわりから割り出す前幅と後幅の早見表

※前幅と後幅の計算結果は、小数点第一位を四捨五入して、きりの良い長さに統一して記載しております。

腰まわり前幅後幅腰まわり前幅後幅
80cm20.0cm26.0cm101cm25.3cm31.3cm
81cm20.3cm26.3cm102cm25.5cm31.5cm
82cm20.5cm26.5cm103cm25.8cm31.8cm
83cm20.8cm26.8cm104cm26.0cm32.0cm
84cm21.0cm27.0cm105cm26.3cm32.3cm
85cm21.3cm27.3cm106cm26.5cm32.5cm
86cm21.5cm27.5cm107cm26.8cm32.8cm
87cm21.8cm27.8cm108cm27.0cm33.0cm
88cm22.0cm28.0cm109cm27.3cm33.3cm
89cm22.3cm28.3cm110cm27.5cm33.5cm
90cm22.5cm28.5cm111cm27.8cm33.8cm
91cm22.8cm28.8cm112cm28.0cm34.0cm
92cm23.0cm29.0cm113cm28.3cm34.3cm
93cm23.3cm29.3cm114cm28.5cm35.0cm
94cm23.5cm29.5cm115cm28.8cm34.8cm
95cm23.8cm29.8cm116cm29.0cm35.0cm
96cm24.0cm30.0cm117cm29.3cm35.3cm
97cm24.3cm30.3cm118cm29.5cm35.5cm
98cm24.5cm30.5cm119cm29.8cm35.8cm
99cm24.8cm30.8cm120cm30.0cm36.0cm
100cm25.0cm31.0cm

 

印刷用|採寸表・出来上がり寸法表のダウンロード

採寸した数値や出来上がり寸法を書き込みながら作業できるよう、A4サイズにまとめたPDFを用意しました。印刷してお使いください。

↑スマートフォン・タブレットの場合は、こちらのリンクをタップしてご確認ください。

 

【出来上がり寸法の考え方】体型や好みに合わせてもっと調整したい人へ

出来上がり寸法の中には「標準寸法」がありますが、体型や着方の好みに合わせて調整することも可能です。

ここでは、各部位ごとの寸法がなぜその数値になるのか、考え方と調整方法、そして具体的にどれくらい調整できるのかを解説します。

体型や着方の好みに合わせて微調整することで、着心地は大きく変わりますので、寸法をもう少し調整して浴衣を作ってみたい方は、ぜひともご一読ください。

  

身丈みたけ|おはしょりをきれいに作るために

女性用の浴衣と着物の身丈は、着丈におはしょり分を足した長さになります。

おはしょりを綺麗に出しやすい「おはしょり分の長さ」と「頭の長さ」は、どちらも25〜30cmほどなので、身丈は身長と同じ長さになります。

 

体型や肩の厚みに合わせて身丈を微調整すると、おはしょりを作りやすくなります。

体格がよく肩に厚みがある方や、いかり肩の人は、身長に更に3cm足した長さを身丈とすると安心です。

 

身丈の具体的な調整方法
  • がっしり体型の人・いかり肩の人…身丈=身長+3cm
  • 細身の人・中間体型の人…身丈=身長

 

袖丈そでたけそでの丸み|動きやすさと印象のバランス

袖丈と袖の丸みは、見た目の印象を大きく左右する部位です。

普段着・おしゃれ着・着回し方に応じて、好みの長さを選びましょう。

 

袖丈

最近は袖丈49cmが主流ですが、「たもと袖」として作る際は、身長・好み・TPOに合わせて45~57cmの範囲で調整できます。

袖丈は、身長の3分の1の長さがバランスがいいとされていますが、長すぎたり短すぎたり感じる場合は、好みの長さを選ぶのが最良です。

 

袖丈が短くなるほどカジュアルな印象に、長くなるほどドレッシーな印象になります。

 

市販品と合わせて着たい場合

袖丈は普段着とおしゃれ着との区別をつけて、2種類ほどにしておくと、長襦袢や羽織ものの袖丈と合わせる際に便利です。

現在市販されている長襦袢や羽織の袖丈は、49cmのものが大半を占めているので、市販品もあわせて使いたい場合は、袖丈を49cm前後にするのがおすすめです。

 

  • 浴衣に長襦袢やレース羽織を合わせて夏着物風にも楽しみたい人…袖丈=49cm前後
  • 浴衣単体で楽しみたい人・さらりと簡単に浴衣を着たい人…袖丈=45~57cm(身長とのバランス・好みによって決める)

 

袖の丸み

袖の形が「たもと袖」の場合、袖の丸みは2cmが標準寸法ですが、2~3cmの範囲で好みで決められる部分です。

袖の丸みを自分好みにする場合は、袖丈と同様に、長襦袢や羽織ものの袖の丸みと揃えるのがおすすめです。

 

袖の丸みがあるほど可愛らしい印象になり、丸みが少ないほどキリッとした印象になります。

お洋服と同様に、和服の袖の形も様々な種類があります。その中でも「たもと袖」は袖の丸みが小さく、ほぼ直角に見える形です。

 

袖の形をもっと自分好みにしたい人へのエール

たもと袖以外にも、元禄袖や舟底袖、振袖など、袖の形によって様々な名称の袖がありますが、どれも時代によって「長さの定義」も「流行」も移り変わっています。

女性の浴衣・着物の袖の形と名称

 

ほんの10年程前までは、大人の女性用浴衣として、袖の丸みが8~15cm程の浴衣も作られていましたが、現在は浴衣も着物も袖丈49cm・袖の丸み2cmの「たもと袖」が大半となりました。

浴衣はお洋服に例えると半袖Tシャツにジーンズパンツのようなものです。暑い時期のカジュアルな普段着なので、定義や主流にとらわれずに、袖丈も袖の丸みも自由に自分好みで作ってみるのも面白いと思います。

 

袖口そでぐち袖付そでつけ・身八つ口みやつぐち|着やすさに直結するポイント

袖口・袖付け・身八つ口は、腕の動かしやすさや着付けのしやすさに影響する部分です。

袖丈や帯位置との関係を意識して決めます。

 

袖口

袖口は21〜23cmの範囲で、袖丈の寸法・身長・体格に応じて調整される部分です。

身長が160cm以上の方は袖口が大きいほうが着付けしやすく、見た目のバランスも良くなります。

 

袖丈が標準寸法(49cm)ではない場合、袖口は21~23cmの範囲で、袖丈÷2より長くならないようにします。

袖口の具体的な調整方法

浴衣の場合、袖口の具体的な調整方法として、以下が推奨です。

  • 身長160cm以上の人・がっしり体型の人…袖丈=23cm
  • 上記以外の人…袖丈=21cm

 

袖付け

女性用の浴衣と着物の袖は、身頃の脇にすべて縫い合わさず、肩山から21~23cmだけ縫い合わせます。この縫い合わせる長さが袖付けの長さです。

袖付けの長さが袖丈より短いため、帯を袖丈よりも高い位置で締めることができます。

男性用の浴衣と着物の袖は身頃の脇に長く縫い合わせます

 

袖付けは、胸や肩の厚み・帯を締める位置によって、21~23cmの範囲で調整します。

帯を締める位置が高い方はつれを防ぐために袖付けを小さくし、帯を低めに締める方は下着が見えないよう袖付けを大きめにします。

袖付けの具体的な調整方法
  • 帯を低い位置で締める人・がっしり体型の人…袖付け=23cm
  • 帯を高い位置で締める人・細身/中間体型の人…袖付け=21cm

 

身八つ口

身八つ口とは、袖付けの下にあり、身頃の脇縫いが縫い合わされずに開いている部分のことで、女性用・お子様用の浴衣・着物・襦袢特有の部位です。

身八つ口には、

  • 帯を高い位置で締めても腕をスムーズに動かせる
  • 着付けの際にお端折はしょりを整えやすくなる
  • 通気性を確保しやすくなる

といった役割があります。

脇に余った身頃を身八つ口の部分で背面へ折り、胸紐や伊達締めに仕舞い込んで着付けるので、上の図のように腕を高く上げない限り着用時に身八つ口が見えることはありません。

 

身八つ口は13~15cmの範囲で、身長・着やすさ・袖付けの寸法を目安に決めます。

身長が160cm以上の方は15cm、低身長の方でも13cmは確保するのがおすすめです。身八つ口が短いと着付けがしづらくなるため、着付けに不安がある場合は広めにとるのも1つの方法です。

なお、身八つ口を決める際は、袖付けとの合計が36〜38cmになるよう調整します。

身八つ口の具体的な調整方法
  • 身長160cm以上の人・着付けに不安がある人…身八つ口=15cm
  • 上記以外の人…身八つ口=13cm

 

袖幅そではば肩幅かたはばゆきとの関係

裄は、袖幅と肩幅を合わせた長さです。

袖幅と肩幅をバランスよく配分することで、動きやすく美しい形になります。

 

袖幅と肩幅はそれぞれ裄の半分ではなく、肩幅より袖幅を2cm広くすると形が良くなるため、

袖幅=裄÷2+1cm
  =肩幅+2cm

肩幅=裄÷2-1cm
  =袖幅-2cm

という関係になります。

 

肩幅が後幅より3cm以上広くなると縫い代の始末がしにくくなりますその場合は後幅・肩幅・袖幅のバランスを見ながらそれぞれ調整します。

特に細身で裄が長い方は、肩幅が体に対して余り、バストまわりがぶかつく場合があります。その場合、抱き幅 (身八つ口の最下部から衽の縫い目までの水平幅) を狭くする方法もあります。
※バストサイズに応じて、身八つ口から脇や胸がのぞかない程度の抱き幅にするのがポイントです。抱き幅については下記をご参照ください。

 

前幅まえはば後幅うしろはばはば衽幅おくみはば合褄幅あいづまはば|体型に合わせて無理なく

前幅・後幅・抱き幅・衽幅・合褄幅は、腰まわりのフィット感に大きく影響する重要な部分です。

体型に合わせて無理のない寸法を選びましょう。

 

前幅・後幅

腰まわりは丁寧に採寸し、早見表を参考に前幅と後幅の寸法を決めると安心です。

体格のしっかりした方はある程度ゆとりを持たせたほうが着やすく、細身の方は大きすぎると着付けが難しくなるので、早見表を目安に前幅と後幅を決めることを推奨します。

また、浴衣や着物はお尻の部分に最も負荷がかかり裂けやすいので、心配な場合は採寸時に腰まわりにゆとり量として指3本分を加えた長さを測るのがオススメです。

 

抱き幅

抱き幅とは、身八つ口の最下部から衽の縫い目までの幅です。

 

抱き幅を前幅より2cmほど狭くすることを「抱き幅をとる」仕立て方、抱き幅を前幅と同寸にすることを「抱き幅をとらない」仕立て方といいます。

どちらの仕立て方にも適した体型・メリット・デメリットがあります。

抱き幅をとる
(前幅より狭くする)
抱き幅をとらない
(前幅と同寸)
適した体型細身〜標準体型胸が豊かな方、体に厚みがある方
着姿・胸元がすっきりとしたスタイリッシュな形
・現代風のシルエット
・胸元に余裕のあるゆったりした形
・古典的なシルエット
メリット・脇がダボつかない
・胸元や衿が綺麗になる
・着付けが楽になる
・着心地が楽
・胸のラインが強調されにくい
・仕立てが簡単
デメリット・胸が窮屈になり肩が凝りやすくなる
・胸の形が強調されやすい
・仕立ての手間が増える
▶バストが豊かな方には向かない
・細身の方は脇がダボつく
・現代風のキッチリした着姿にするには着付けのテクニックが必要になる
▶スレンダーな方には向かない

 

袖幅と肩幅の項でも述べたように、スレンダーな方で肩幅が余り、胸まわりがぶかつく場合は、抱き幅を前幅より2cmほど狭くする調整がおすすめです。

バストが豊かな方や体格のしっかりした方は、前幅と同寸にすると安定します。

抱き幅の具体的な調整方法
  • 細身~標準体型の人・多少手間がかかっても浴衣を作りたい人…抱き幅=前幅-2~3cm
  • 胸が豊かな人・体格の良い人・手軽に浴衣を作りたい人…抱き幅=前幅

 

衽幅

衽幅は15cmが標準ですが、細身の方は14cm詰めても問題ありません。そうすることで前幅とのバランスが良くなり、前幅の縫い代が余りすぎて不格好になるのを防げます。

反対に、体格のしっかりした方は16cm広げるのがおすすめです。

※衽幅を標準より小さくしたり大きくしたりする場合は、その分、前幅と後幅の調整も必要になります。

衽幅の具体的な調整方法
  • 細身の人…衽幅=14cm
  • 中間体型の人…衽幅=15cm(標準)
  • がっしり体型の人…衽幅=16cm

 

合褄幅

合褄幅とは、衿先位置から前身頃と衽の縫い目までの衽の横幅のことです。

合褄幅は衽幅より1.5cm程つめた長さが標準ですが、体格のいい方や腰まわり・太ももがしっかりしている方は、合褄幅を衽幅と同寸にして、着用時に下前の脇線が見えないようにするのがおすすめです。

合褄幅の具体的な調整方法
  • がっしり体型の人…合褄幅=衽幅
  • 上記以外の人…合褄幅=衽幅-1.5cm

 

衿肩えりかたあき・し・衽下おくみさがり│衣紋を綺麗に抜くために

衿肩あき・繰り越し・衽下がりといった衿まわりの寸法は、着姿や顔映りに大きく影響する大切な要素です。

基本寸法を踏まえつつ、衣紋の抜き加減の好みや体型に合わせて調整できます。

 

衿肩あき

衿肩あきは首回りの4分の1を目安にしますが、着方によって自由に調整できるため、標準寸法で問題ありません。

 

繰り越し

繰り越しとは、衿を付ける位置を肩山より背中側に下げて付ける長さで、衿を後ろに下げて(衣紋を抜いて)着るために設けられた、女性用の浴衣・着物特有の寸法です。

メンズ着物・浴衣は衣紋を抜かずに着るため、基本的に繰り越しをとりません。

 

平成の頃は繰り越しの標準寸法は2cmでしたが、現在は2.5cmが主流になっています。

体型や着方の好みによりますが、肩に厚みのある方、身長160cm以上の方、衣紋をしっかり抜きたい方は、標準の2.5cmより多めにして3~3.8cmほどにするのがおすすめです。

繰り越しの具体的な調整方法
  • がっしり体型の人・長身の人・衣紋を多く抜きたい人…繰り越し=3~3.8cm
  • 上記以外の人…繰り越し=2.5cm

 

衽下がり

衽下がりは肩山から剣先までの長さで、21~23cmの範囲内で体型や着方の好みに合わせて決めます。

肩や胸の厚みがある方や、身長160cm以上の方、衣紋をしっかり抜きたい方は衽下がりを最大の23cmにするのがおすすめです。それ以外の方は最低でも21cmを確保すると良いでしょう。

衽下がりの具体的な調整方法
  • がっしり体型の人・長身の人・衣紋を多く抜きたい人…衽下がり=23cm
  • 上記以外の人…衽下がり=21cm

 

衿下えりした|着姿の美しさと着崩れ防止に

衿下は、着姿の美しさや着付けのしやすさに直結する大切な寸法です。衿が腰ひもにかかり、衿先がおはしょりの下から見えない長さが理想で、目安は身長の半分ほどです。

衿下が短すぎると衿先がおはしょりの下から出てしまい、着姿が崩れます。反対に長すぎると衿が腰ひもにかかりにくく、衿元が落ち着かなくなります。つまり、衿下は“短すぎず長すぎず”が最適です。

 

脚が長い方(身長×0.5以上)や身長160cm以上の方は、衿下を身長の半分よりも多くとるのがおすすめです。

反対に、脚が短い方(身長×0.45以下)や身長150cm以下の方は、衿下を身長の半分よりも少なくして調整するとバランスが良くなります。

 

なお、衿は最後に縫い付けられるため、縫製途中で試着しながら衿下を確認する方法もおすすめです。

衿下の具体的な調整方法
  • 脚の長さが身長×0.5以上の人・身長160cm以上の人…衿下=身長÷2+2cm
  • 中間体型の人…衿下=身長÷2(標準)
  • 脚の長さが身長×0.45以下の人・身長150cm以下の人…衿下=身長÷2-2cm

 

出来上がり寸法の具体例(体型別)

最後に、体型の異なる着用者Aさん・Bさんの2パターンを例に、浴衣の出来上がり寸法が実際にどのような長さになるのか、具体例を紹介します。

あくまで例であり、必ずしもこの具体例が絶対の正解というわけではありません。体型や仕立て方、用意できる生地のサイズ、着付け方、好み、どこを重視するかによって最適な寸法は変わるため、参考程度にご覧ください。

 

例① 身長が高くスレンダー体型の場合

身長が高くスレンダー体型な着用者Aさんの場合をご紹介します。

Aさんの体型の採寸結果は以下です。表の右端の列に参考として中間体型の人の数値も併記しています。

採寸部位Aさんの体型(参考用)中間体型の人
身長168cm158cm
ゆき70cm66cm
腰まわり91cm96cm
脚の長さ85cm78cm

 

Aさんの浴衣の出来上がり寸法の具体例は以下となります。

浴衣の各部名称出来上がり寸法の具体例(参考用)中間体型の人
身丈みたけ168cm158cm
袖丈そでたけ50cm49cm
袖口そでぐち23cm21cm
そでの丸み2cm2cm
袖付けそでつけ23cm21cm
ゆき70cm66cm
袖幅そではば38cm34cm
肩幅かたはば32cm32cm
後幅うしろはば28.8cm30cm
前幅まえはば22.3cm24cm
はば21.5cm24cm
衽幅おくみはば14.5cm15cm
合褄幅あいづまはば13.5cm13.5cm
衿幅えりはば
(バチ
えり)
上:5.5cm
下:7.5cm
上:5.5cm
下:7.5cm
衿肩えりかたあき8.5cm8.5cm
2.5cm2.5cm
衽下おくみさがり23cm21cm
身八みやぐち15cm13cm
衿下えりした86cm79cm

裄が長い一方で腰まわりが狭いため、袖幅・肩幅・後幅のつり合いを見て、肩幅より袖幅を広めにとり、抱き幅は前幅より1cm狭くしています。

もし、袖幅と肩幅をバランスよく配分するなら、袖幅36cm・肩幅34cmが目安になります。反物や生地幅、肩幅と袖袖のバランスを優先するか縫製のしやすさを重視するか、さらに襦袢や羽織ものも合わせて着るのかどうかによっても、適した寸法は変わるので、用途や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

 

例② 身長が低くグラマラス体型の場合

身長が低くグラマラス体型な着用者Bさんの場合をご紹介します。

Bさんの体型の採寸結果は以下です。表の右端の列に参考として中間体型の人の数値も併記しています。

採寸部位Bさんの体型(参考用)中間体型の人
身長150cm158cm
ゆき64cm66cm
腰まわり100cm96cm
脚の長さ74cm78cm

 

Bさんの浴衣の出来上がり寸法の具体例は以下となります。

浴衣の各部名称出来上がり寸法の具体例(参考用)中間体型の人
身丈みたけ153cm158cm
袖丈そでたけ49cm49cm
袖口そでぐち23cm21cm
そでの丸み2cm2cm
袖付けそでつけ23cm21cm
ゆき64cm66cm
袖幅そではば33cm34cm
肩幅かたはば31cm32cm
後幅うしろはば31cm30cm
前幅まえはば25cm24cm
はば25cm24cm
衽幅おくみはば16cm15cm
合褄幅あいづまはば15.5cm13.5cm
衿幅えりはば
(バチ
えり)
上:5.5cm
下:7.5cm
上:5.5cm
下:7.5cm
衿肩えりかたあき8.5cm8.5cm
3cm2.5cm
衽下おくみさがり23cm21cm
身八みやぐち13cm13cm
衿下えりした73cm79cm

体格に合わせて、身丈・袖口・袖付け・衽幅・合褄幅・衽下がりを広くとっています。

腰まわりのゆとり量として、前幅・後幅はぴったりの寸法にし、衽幅にのみ1cm加えることで調整しています。

まとめ|浴衣づくりの第一歩は”出来上がり寸法”決め

浴衣の出来上がり寸法を決めるには、

  • 採寸を正確に行うこと
  • 標準寸法と計算式をベースに、体型や好みに合わせて調整すること

が大切です。

 

割り出した出来上がり寸法は、浴衣をつくる際に、総布用量の計算裁断印つけの際に必ず使う重要な基準になります。

この記事の表や早見表を活用しながら、体型や好みに合った寸法で、浴衣づくりを楽しんでみてください。

 

以上、「和裁初心者さん向け 体の各部位を採寸したサイズから女性用浴衣の出来上がり寸法を割り出す方法」でした。

 

この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。

 

それでは、
またお会いできる日を楽しみにしております🍀

 

See you soon!
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